本日の映画 – 風立ちぬ
先日は友人に誘われて急に映画二本立てに行ってきました。
やっぱり誰かと誰かと行って、感想を言いあえるのっていいですよね。
まずは一本目・風立ちぬ。
ジブリとしては珍しい実在の人物がモデルとなった作品。
私自身映画館でみるジブリ作品は紅の豚以来です。
Le vent se lève, il faut tenter de vivre
風立ちぬ、いざ生きめやも
作中の詩句であるこの一節をキーワードに
登場人物たちの生き方、関係性、事象を中心に描かれています。
ジブリらしい痛快なアクションシーンや戦闘などはほぼなく、
それを期待して見に行った人は盛大な肩すかしを喰らうでしょう。
この作品には明確な「敵」とか「対立するライバル」のような
争いや競争のと言える側面はなく、
ただひたすら起こったことを描いていく作品です。
そういう作品なので、登場人物の人物像と、
それぞれの関係性がとても丁寧に描かれています。
主人公・堀越二郎は「美しい飛行機」を設計することを長年夢に見、
夢想家でありながら誠実で実直な青年であることを嫌みなく表現されます
ヒロインの菜穂子は明るく朗らかでありながら貞淑で、
二郎に対する慈愛の深さをいつも行動で表します。
学生時代からの友人であり同僚の本庄は二郎とは対照的で
現実主義的なストイックさがあるが、互いにリスペクトし、
同じ高見を目指す同志であることが感じ取れます。
そのほか上司や周辺の人間が全て二郎との信頼感や尊敬、
そういった暖かい感情でのつながりで進む物語は
とても爽やかで心地よく、誰かに対する嫌悪感などなく
起こる事象に対する歓喜や悲哀をストレートに感じられる作品でした。
また、アニメーションは作中の演出として、
特に「風」を感じさせる動きが印象に残りました。
なびく髪、風でめくられる本のページ、飛ばされそうになる帽子…
それらの演出がある時は、必ずキーとなるシーンでした。
その辺に注目してみてみるのも面白いですね。
最後に、ラストシーンからの荒井由実・ひこうき雲。
これは圧倒的にずるい。
私、泣いてしまいます…
ここ最近のジブリ映画としてはとても良い作品だと思いました。
爽やかな観賞後の感覚がお好きな方には是非お勧めしたい一本です。
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