本日の映画 – SHORT PEACE
突然の映画二本立て、先の「風立ちぬ」に引き続き、
二本目は大友克洋原作のSHORT PEACE。
こちらはオープニング+4作品のオムニバス形式で、
すべて日本が題材となっているのが特徴です。
作品は以下の通り。
- オープニング
- 九十九
- 火要鎮
- GAMBO
- 武器よさらば
以上5作・上演順。
以下それぞれの感想など。
オープニング
かくれんぼをしている少女が
「もーいーよ!」で目を開くと異世界に迷い込んでおり、
そこで様々な不思議な景色や生き物に遭遇し、
少女にその世界の力が宿ると、
目まぐるしく服や姿が変わって行くというもの。
オムニバス作品のオープニングとして
多様な世界を表現するという意図でしょう。
アニメーションはカラフルで楽しげ。
オムニバスのオープニングとしてぴったりの作品でしょう。
九十九
コワモテの旅の職人が雨の中森の中で迷い、
雨宿りに入った小さな森の一軒家が、
破れ捨てられた傘や古びた流行遅れの反物が
妖怪となって巣食う妖怪の家だった!というもの。
職人は次々と傘を直したり、反物をリメイクして
美しい姿に戻してやるという流れ。
「物を大切にする」というごくシンプルなメッセージ性から
古典的な童話、寓話のようであり、
結末もストレートで気持ちのよいものでした。
全編3DCGのアニメーションでしたが、
個人的には3DCGは人間の場合動きが固くなってしまうので、
あまり好きではないのだけが残念です。
※人間以外には効果的に使えばいいと思います。
火要鎮
読みは「ひのようじん」。火事場の話です。
商家の娘お若と幼馴染で火事場の好きな松吉。
二人は惹かれあっていますが、お若は嫁ぎ先が決まり、
一方松吉は勘当され離ればなれに。
ある日お若が火を起こしてしまい、江戸の街が大火に覆われます。
逃げ出したお若は、火消しとなった松吉と再開するが…
メッセージ性というよりは起こった事象そのものを描く
スペクタクル作品です。
アニメーションには絵巻の形式を取り入れ、
絵巻独特の画角が多用されます。
スペクタクル作品としてこの演出が一役買っています。
どうなるかハラハラしながら見る作品。
GAMBO
村に現れた赤鬼(宇宙人)は夜な夜な村を遅い、
村の娘をさらっては子を産ませようとしていた。
村に最後に残された幼い娘カオは
「敵わぬ相手、滅ぼされるも、さらわれるも仕方ない」と
自分を納得させようとするが、死ぬのは嫌だと願っていた。
そこに人の言葉を解する巨大な白熊が現れ、
カオの願いを受け取り、赤鬼と対決する。
白熊と赤鬼の迫力の大立ち回りが見物の作品。
3DCGならではのダイナミックなアニメーションが
見応えのあるアクションシーンを形作っています。
武器よさらば
世界に残る兵器を処分して回っている舞台が
未来の東京を舞台に兵器処理をしているところ、
残された凶悪な戦闘力を持つ自律戦車(AI無人戦車)と
死闘を演じるというもの。
前3作が古代日本なのに対し、こちらはうってかわって
未来の超メカニカルな世界。
隊員の装備や自律戦車の兵装など、
メカデザイナーのカトキハジメが監督をしただけあり
非常に緻密なメカ描写、戦闘描写が楽しめます。
ラストはとっても皮肉が利いており、
オチとして十分の作品でした。
まとめ。
オムニバス作品ということで、1本が短くまとまっており
シンプルで見やすいです。
また、上演時間も約90分ほどで、
レイトショーなどで楽しむのにも向いているでしょう。
なかなか楽しめた作品でした。
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